今井さんの三選追加
BLAME! | 弐瓶勉 | 連載'(3〜9月号:現在シリーズ連載) |
GENOMES | 荒巻圭子 | 連載(1〜5月号:現在休載中) |
我らの流儀 | 大武ユキ | 連載終了(1〜9月号:連載開始96年3月) |
ハヤ子サケ道を行く | 玉川敏秀 | 連載(1〜8月号:8月号で第一部終了,97年2月号最終回) |
1. | 菫画報 | 小原愼司 | 連載(全号掲載) |
2. | ヴァンデミエールの翼 | 鬼頭莫宏 | シリーズ連載(3,6,7月号掲載) |
3. | EDEN | 遠藤浩輝 | 連載(11月号より掲載) |
今一番楽しみにしている作品は「EDEN」なのですが、始まったばかりということで3位に推すに留めました、ただその第1話の凄さには感服させられました。また、1,2位の菫画報・ヴァンデミエールの翼は共に独特のスタイルを濃く持っており、アフタヌーンらしい作品と言えましょう。また、次点に推した「GENOMES」は本来ならば三選に必ず入れる筈の作品でしたが、6月号より長期休載されている為にやや印象が薄くなったためにこうなりました。同様に、「大日本天狗党絵詞」も97年度に掲載されたのは最終話だけだったためにこれまた次点に留まりました。「新首代引受人」は第1話は文句の付けようのない出来だったのですが第2話に不満を感じたためこの通りとなりました。
1. | ヨガのプリンセス プリティーヨーガ | 稲留正義 | 6月号より連載 |
2. | 菫画報 | 小原愼司 | 連載(全号掲載) |
3. | スカタン天国 | 北道正幸 | 5月号より連載 |
ヨーガは何てゆうか、本能的にやられてしまったみたい(笑)。マニアのマニアによるマニアのためのマンガ。スピード感あふれるボケツッコミの嵐。それでいて感動的・・・を装い、最後はきっちりオトしてくれる。近年まれに見るオレ的ヒット作。「菫画報」の良さはテンポがいいところ。ともすればナンセンス系に走りがちなキャラクターと題材で、意味のある話を作り出しているところにも好感。「スカタン天国」画力、ギャグの切れともに円熟の域に達している。難点はケチを付けるところがない反面誉めるべき突出したものが少ないところか。安定していると言えばいいが。次点は多い。「仮面天使」、インパクト十分。慣れて話が上手く作れればもっと面白くなる。「ハヤ子」とにかく何時間かかってるか分からない手書きの細かい画面効果が印象的。「G組のG」最近のナンセンスギャグでは俺ヒット。もっと多く読みたいものだ。
1. | チャックのある風景 | 博内和代 | 10月号掲載 |
2. | 神様なんて信じていない僕らのために | 遠藤浩輝 | 4月号掲載 |
3. | 彼等の時代 | 伊藤和之 | 5月号掲載 |
97年度のアフタヌーンに掲載された読み切りの中では、博内和代と遠藤浩輝の作品が頭一つ飛び抜けています。この2つの作品のどちらが好みかと聞かれれば、博内和代「チャックのある風景」。順位には好みを反映させています。
両者の作品を読んで感じる印象や具体的な感想は長くなりそうなのでここでは省略させてもらいます。ただ、付け加えるなら、遠藤浩輝の才能を受け入れる事は出来たけれど博内和代の才能には嫉妬を覚えた、と言えば多少なりともわかってもらえると思います。漫画描きではない私でも博内和代の才能には嫉妬します。私の読みたかった漫画の断片が「チャックのある風景」の中にはあったからです。
本題とずれまずが、馬鹿馬鹿しい思いつきとして「チャックのある風景・ドラえもんのオマージュ」説を挙げさせて下さい。「チャック=四次元ポケット=ドラえもん」という強引で隙だらけの三段論法が泣かせます(笑)。主人公=のび太、医者=ドラえもんというのは駄目ですか?駄目だよなぁ...。
三位と選外の作品は今現在憶えている作品の中から選びました。「彼等の時代」は96年春のコンテスト作品なんですが、載ったのが97年5月号という事で選びました。この作品の意味がありそうで実は無いという所が好きです。希田香苗「水面の床屋」は将来を期待しているという点で選外。こういう絵は好みです。
1. | 神様なんて信じていない僕らのために | 遠藤浩輝 | 4月号掲載 |
2. | 狼の瞳 | 岩原ゆうじ | 2月号掲載 |
3. | チャックのある風景 | 博内和代 | 10月号掲載 |
1位の「神様なんて信じていない僕らのために」は、今年アフタヌーンに掲載された中で1、2を争う傑作。学生劇団を舞台にした話です。その話の構成の巧みさといつもの突き放したような人間関係の描写はすばらしいものがあります。2位に推した「狼の瞳」は正統派アクション。画面の見せ方の上手さとソツのないストーリー展開に惹かれました。3位の「チャックのある風景」は、突然全てのものにチャックが付いているのを見えるようになった女子高生が主人公の話、かなり思索的で難解な話ではありますが、それを上手く纏めている構成力と確かな画力に魅力を感じました。
また、次点の「セイシュンの換気扇」は人間を非常に上手く描いています。また、その独特の絵には惹かれるものがあります。「Hello,dear」は瑞々しい感性が伝わってくるような佳作です(それだけに最近作「彼と彼女」のいまいちな出来は残念です)。
それから、番外の「大合作」ですがアフタヌーンを普段読んでいる人だけしかその面白味を全部理解出来ないであろうがために、番外扱いにしました。読んでいると爆笑ものなんですが。
1. | チャックのある風景 | 博内和代 | 10月号掲載 |
2. | 神様なんて信じていない僕らのために | 遠藤浩輝 | 4月号掲載 |
3. | 赤い欲情 | 桑原真也 | 5,7月号掲載 |
基本的に救いようのない話が好き。だから「赤い欲情」は推します。二話目があったから読み切りかどうか迷ったんだけど・・・博内和代は、とにかく「スゴイ」の一言。発想をそのまま紙にぶつけた感じ・・・に思えるけど実は緻密な構成。難解だが良。遠藤浩輝は、短編でこそ味の出る作家だと思う。その中でもこの作品は話の展開、会話に心地よい流れを感じる。鮮やか。次点、「狼の瞳」は画面構成が上手い。原作を付ければもっと才能が活かせるのでは?話は並。大合作は笑えた。もう最初の「題字・鄭問」から大爆笑。原稿が日本各地、果ては海外まで飛び交った所を想像するとまた面白い。