LaTeX で数学のレポート・論文を書く

このページでは、僕が得た LaTeX に関するちょっとした情報を掲載しています。 基本的には LaTeX2e で文書を作成することだけを考えていますので、 各種パッケージのインストールなどは既に済んでいるものとして話を進めます。

目次

  1. amsart.cls を使おう
  2. txfonts.sty を使おう
  3. PDF ファイルを作ろう
  4. 綺麗な References を用意しよう

amsart.cls を使おう

AMS-LaTeX パッケージに付属している amsart.cls は、(当然ですが) 数学のレポート・論文を書くのに非常に向いています。 特に論文誌に投稿する前のプレプリント作成などに最適です。 ここでは基本的な命令だけチェックしておきましょう。

\title, \author

通常の論文タイトル・著者名を指定できるだけでなく、 各ページ上部に書かれるそれらをオプション引数で指定することも可能です。

\title[A submodule unrelated to the corresponding factor module]%
      {A submodule unrelated to the corresponding \\ factor module over a commutative ring}
\author[Y.~Shindoh]{Yasutaka SHINDOH}

これらの命令の引数は、出力の際に勝手に大文字になってしまいます。

\address, \email, \urladdr

それぞれ、所属研究所 (無い場合は自宅) の住所、e-mail アドレス、ウェブサイトの URI を記入できます。

\address{Graduate~School~of~Science, Osaka~City~University, Osaka~558-8585, Japan}
\email{ring-pub@fan.gr.jp}
\urladdr{http://www.fan.gr.jp/{\textasciitilde}ring/doc/}

\urladdr を書く必要はそれほどありませんが、 それ以外は連絡の為に書いておいた方が良いです。

\subjclass

この命令の引数に論文の Mathematics Subject Classification (AMS による数学論文の分類) を書きます。 また、オプション引数には Mathematics Subject Classification の年を指定します。

\subjclass[2000]{Primary~13C99, Secondary~16D10}

\keywords

この命令の引数には、論文の内容を示すキーワードを書き込みます。 複数書く際にはセミコロンで区切ると良いです。

\keywords{Direct sums; homomorphisms; annihilators; distributive modules.}

\dedicatory

〜記念論文集などの際に書く「Dedicated to 誰それ」といったものを書く命令です。

\dedicatory{Dedicated to Professor~Hogeo~Fugada on the~occasion of his~60-th~birthday.}

abstract

普通のクラスファイルと違って、\maketitle の前に書いておく必要があるそうです。

\begin{abstract}
In this paper we introduce a new concept ``unrelated pairs''.
Using this concept, we study a relation
 between homomorphisms and direct summands of a finitely generated module.
\end{abstract}

\maketitle

\baselinestretch

amsart.cls は行間が非常に狭いので、 それが気になるのであれば \baselinestretch で調整してあげましょう。

\renewcommand\baselinestretch{1.1}

txfonts.sty を使おう

TeX 標準の細身な Computer Modern Fonts よりも、肉厚な Times 系フォントの方が個人的には好きです。 :-)

\usepackage{txfonts}

数式中の g や v, w, y の見た目が気に入らない場合は、オプション引数をいじると良いです。

\usepackage[varg]{txfonts}

このパッケージを利用している場合、amssymb.sty を呼び出す必要は (ほとんど) ありません。 また、PDF ファイルを作成する際に埋め込まれるフォントの量を減らすことも可能です。

PDF ファイルを作ろう

インターネット上で配布する場合など、論文を PDF ファイルで扱いたい事もよくあります。 その際には pdfLaTeX や dvipdfmx などを利用するのがお手軽で良いと思います。

pdfLaTeX を使おう

英文だけの文書であれば、DVI ファイルの代わりに PDF ファイルを出力する pdfLaTeX (pdflatex コマンド) を使うのも手です。 hyperref.sty を利用する際は、オプション引数に pdftex を指定しましょう。

\usepackage[pdftex,%
        bookmarks=true,bookmarksnumbered=true,bookmarkstype=toc,%
        pdftitle={A SUBMODULE UNRELATED TO THE CORRESPONDING FACTOR MODULE OVER A COMMUTATIVE RING},%
        pdfsubject={2000 Mathematics Subject Classification: Primary 13C99; Secondary 16D10},%
        pdfauthor={Yasutaka SHINDOH (Grad. School of Science, Osaka City Univ., JAPAN)},%
        pdfkeywords={direct sums, homomorphisms, annihilators, distributive modules}%
        ]{hyperref}

また、以下の様にしておけば、PDF ではなく DVI を出力するようです。

\pdfoutput=0

dvipdfmx を使おう

dvipdfmx を利用すれば、DVI ファイルを PDF ファイルに変換する事ができます (和文の入った DVI ファイルでも大丈夫)。 hyperref.sty を利用する際は、オプション引数に dvipdfm を指定しましょう。

\usepackage[dvipdfm,%
        bookmarks=true,bookmarksnumbered=true,bookmarkstype=toc,%
        pdftitle={A SUBMODULE UNRELATED TO THE CORRESPONDING FACTOR MODULE OVER A COMMUTATIVE RING},%
        pdfsubject={2000 Mathematics Subject Classification: Primary 13C99; Secondary 16D10},%
        pdfauthor={Yasutaka SHINDOH (Grad. School of Science, Osaka City Univ., JAPAN)},%
        pdfkeywords={direct sums, homomorphisms, annihilators, distributive modules}%
        ]{hyperref}

dvipsk + ps2pdf を使おう

特殊なクラスファイルやスタイルファイルを使う場合 (Prosper を使う場合など) を除けば、 今更 dvipsk + ps2pdf の組み合わせを使う理由はあまり無いと思います。 また、日本語を扱うにはそれなりの Ghostscript 環境が必要になります。

各種オプションは環境によって異なります。 ここで紹介するのは角藤版 pTeX の場合です。

$ dvipsk -Ppdf -t a4 -z target.dvi
$ ps2pdf -sPAPERSIZE=a4 target.ps

shell 環境によっては以下。

$ dvipsk -Ppdf -t a4 -z target.dvi
$ ps2pdf -sPAPERSIZE#a4 target.ps

type1cm.sty を使う

Computer Modern Type1 Fonts を埋め込む際にその大きさの分が無くって、どうしても汚らしい仕上がりになってしまうことがあります。 これは type1cm.sty を利用すれば解決できることがあります。

\usepackage{type1cm}

AMSFonts についても同様な対策が可能です。 こちらは、amssymb.sty を呼び出す際のオプション引数に psamsfonts を指定すれば良いだけです。

\usepackage{amsmath}
\usepackage[psamsfonts]{amssymb}

最新の角藤版 pTeX (2003/3/17 以降) では、これらの設定は基本的に不要らしいです。

綺麗な References を用意しよう

thebibliography 環境を利用して References を書く際に、 省略を示す . の扱いについて羅列してみます。

小文字の直後にある は文末を、 大文字の直後にある は省略を示すものと見なされます。 その為、前者の空きが後者のものより大きくなってしまいます。 これらを曖昧に扱ってしまうと、非常に見苦しい出来栄えとなってしまいます。

\begin{thebibliography}{Cam75}
 \bibitem[Cam75]{camillo75:_distr}
                V.~P.~Camillo, \emph{Distributive modules},
                J.\ Algebra \textbf{36} (1975), no.~1, 16--25.
 \bibitem[Erd87]{erdogdu87:_distr}
                V.~Erdo\u{g}du, \emph{Distributive modules},
                Canad.\ Math.\ Bull.\ \textbf{30} (1987), no.~2, 248--254.
 \bibitem[Kas82]{kasch82:_modul_rings}
                F.~Kasch, \emph{Modules and rings},
                London Math.\ Soc.\ Mon., no.~17, Academic Press, London-New York, 1982.
 \bibitem[Ste74]{stephenson74:_modul}
                W.~Stephenson, \emph{Modules whose lattice of submodules is distributive},
                Proc.\ London Math.\ Soc.\ \textbf{28} (1974), no.~3, 291--310.
\end{thebibliography}

論文名は AMS の (MathSciNet に掲載されている) 省略の仕方に従うと無難らしいです。

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